生活のために夜勤をしてるけど、子どものことが心配……。
シンママ(シンパパ)なら余計に、夜勤をすることで「子どもに寂しい思いをさせているのではないか」と気になりますよね。
私は大学生2人を支えるシンママ看護師×カウンセラーです。生活のために夜勤をしながら子どもたちを育ててきました。
この記事では、
・夜勤が子どもに与える影響
・子どもの不安、ストレスの取り除き方
・夜勤明けママ(パパ)の過ごし方
をお伝えします。最後まで読んでいただくと、
子どもを守るために夜勤という働き方を選んでいるママ(パパ)の心理的な負担が軽くなり、子どもと良い時間を作ることができるようになります。
親の夜勤が子どもに与える影響

親が夜勤をすると子どもの心身にも影響を与えます。ネガティブな面、ポジティブな面、両方を理解し、子どもへの関わり方を考えていきましょう。
不安になりやすい
夜間、ママ(パパ)がいないことで、子どもは不安となり様々なかたちでサインを出すことがあります。
・夜泣きが増える
・機嫌が悪くなる
・愛情を他者(保育士や学校の先生)に求め、依存的になる
・学校や社会でトラブルを起こしてしまう
子どもが夜に不安を感じやすいのは、脳の仕組みも影響しています。
人間の脳は、約1万年前(狩猟時代)から、基本的な構造や機能はほとんど変化していないと言われています。
狩猟時代、夜は暗く、敵に襲われるリスクも高かったので、本能的に「暗闇は危険」と思って警戒していました。その名残で、夜は不安や敏感になりやすいのです。
睡眠が乱れる
親の不規則なシフトは、子どもの睡眠にも影響を与えることがあります。夜間に親がいないことで、夜更かしをしたり、寝付きが悪くなるケースも。
・集中力の低下
・体調を崩す
・栄養バランスが偏る
睡眠不足になると、過食、不健康な食事を選択しやすくなり、栄養バランスを崩すこともあります。
心の成長につながる
親が夜勤をしていることは、子どもにとってネガティブなことばかりではありません。
家での留守番や、祖父母など他者と関わることで、自立性や社会性が育つこともあります。
夜勤(人の役に立つ仕事)をする親を見ることで、
「ママ(パパ)は人を助けている」
「夜働くのは大変だけど、意味がある」
という価値観が育ち、自己肯定感や職業観に良い影響を与えることもあります。
子どもの不安を取り除くためにできること

夜勤明けや休みの日に、意識的に子どもと関わることで「心の充電」の質を高めることができます。
夜勤前にメッセージを残す
夜勤へ行く前に、子どもへ短い手紙やボイスメッセージを残してみませんか。
「今日を楽しんでね」
「帰ったらお話聞かせてね」
「ママ(パパ)も頑張ってくるよ!」
メッセージがあることで、「自分は大切にされている」と感じると、不安の減少につながります。
不安なときも、メッセージを繰り返し見る(聞く)ことで、安心感を得ることができます。
子どもの話を聞く
夜勤から帰ったら、子どもの言葉に耳を傾けてあげましょう。
大好きなママ(パパ)に話を聞いてもらうだけでも、子どもは安心します。とりとめのない話に耳を傾けてあげるだけで、子どもの心は満たされるのです。

疲れて余裕がないときは、どうしたらいいですか?

「ちゃんと聞きたいんだけど、今はすごく眠いから、起きてから聞かせて」など子どもに理解できるように伝えましょう。
後で聞く約束をすることで、「話を聞いてくれない」と感じず、「大切にされている」と思えるようになります。
子どもの頑張りを認める
ママ(パパ)が夜勤を頑張っている間、子どもも「ママ(パパ)がいない時間」を懸命に過ごしています。
夜勤明けの日は、子どもにも「頑張ったね!ありがとう」と伝えてみましょう。頑張りを認めることで、安心感や愛情を実感しやすくなります。
子どもの感情を否定しない
子どもがワガママを言ったり、泣いてしまうとき。
夜勤で疲れていると、こちらもしんどい気持ちになったり、怒りたくなることもあります。

子どもが泣いてばかり。どうしたらいいですか?

「寂しいんだね」、「不安だったね」と子どもの感情をそのまま受け止めましょう。
不安、怒り、涙を流すことは、体を守るための脳の反応です。
「泣かないで」
「怒るほどのことじゃないでしょ」
「ワガママだよ」
こうした言葉は、子どもに”感じてはいけない”というメッセージとして届きます。すると、感情は抑圧され、未処理のストレスとして残ります。
逆に、
「悲しかったんだね」
「怖かったんだね」
「嫌だったの?」
これらの言葉は、「この感情は外に出してもいいんだ」というメッセージとして伝わり、副交感神経が働き、子どもの心を鎮めてくれます。
感情はそのときどきで処理するとストレスになりにくいです。子どもが安心して感情を出せるように子どもの気持ちを代弁してあげましょう。
愛情を言葉にして伝える
言葉で「大好きだよ」、「生まれてきてくれてありがとう」と伝えると、子どもは親の愛情を明確に感じることができます。
愛情を言葉にし、積極的に伝えることで親子関係も強化されていきます。
ハグ、スキンシップ
スキンシップを受けると、安心ホルモン(オキシトシン)が分泌され、不安・緊張が落ち着き、イライラも減少します。
「自分は守られている」、「愛されている」という感覚が育ち、自己肯定感や信頼のベースになります。
・ぎゅっと抱きしめる
・頭をなでる
・ハイタッチやグータッチ
・隣に座る
1日1回でも続けることで、「いつも自分のことを気にかけてくれる親がいる」ことを認識でき、安心感につながるのです。
子どものストレスを発散させる方法

運動遊び
鬼ごっこや追いかけっこなど全身を動かす遊びやスポーツは、子どものストレスを発散してくれます。
子どもは感情を言葉で整理できないことも多いです。運動は子どもの”整理できない感情”を、体を使って外に出す(ストレスをためない)ことにつながります。
疲れて運動する余力がないときは、家庭用トランポリンなど、子どもがひとりでも楽しめるものを利用してもいいですね。
一緒にリラックス
子どもと一緒にリラックスできる時間を楽しみましょう。
・一緒にお風呂に入る
・ストレッチで体をほぐす
・好きな音楽を聞く
・アニメやゲームを楽しむ
・お笑い番組を見て笑う
・寝る前に読書タイム
人は一緒に呼吸したりゆっくり過ごすと、自律神経がシンクロします。ママ(パパ)が落ち着くと、子どもの心拍や呼吸も落ち着くのです。
夜勤明けの楽しい約束を作る
夜勤前に、「仕事が終わったら一緒に楽しもうね」と未来の楽しみを親子で共有してみましょう。
子どもが感じやすいのは、”今この瞬間の不安・寂しさ”です。
「ママ(パパ)が帰ってきたら、一緒にパンケーキ食べようね」など未来の楽しみを提示すると、子どもの注意を「寂しい今」から「楽しい未来」へ向けることができます。
未来の楽しみを予約したことで、夜勤中も親子のつながり感じられ、子どものストレスを減らすことができるのです。
・一緒に10分間散歩する
・一緒にプリンを食べる
・ゲームをする
大切なのは、必ずできる小さな約束にすること。約束が守られることで「大切にされている」ことを実感し、安心感につながります。
夜勤明けママ(パパ)の過ごし方

夜勤明けで疲れていると、優しくできなかったり、笑顔になれないこともありますよね。
仕事が忙しく疲労がたまっていたら尚のこと。疲れているときはママ(パパ)自身のことも大切にしましょう。
疲れているときは正直に話す
疲れて動けないときは、「今日のママ(パパ)は電池0%。お昼寝したあとに話そうね」など子どもに正直に話しましょう。疲れている事実を隠さないことが大切です。
心に余裕がない状態で子どもに接すると、笑顔になれなかったり、優しい言葉をかけられないことがあります。それよりも一度休憩し、パワーを充電してから接する方が良い時間を過ごせますよ。
子どもを安心させるためにも、ママ(パパ)が無理をしている姿ではなく、自分を大切にしている姿を見せるようにしましょう。
子どもの生活リズムを崩さずに”楽しむ時間”をもつ
夜勤明けは疲れてるから寝たいし、仕事のストレスも取りたいですよね。
けれど、ママ(パパ)が、「昼間に寝たから」と言って夜ふかしすると、子どもの生活リズムを崩してしまうことがあります。
夜勤を続けるためには、子どもにストレスを与えない(生活リズムを崩さない)ことが大切。
子どもの生活リズムを優先し、隙間時間や子どもが寝た後に、ママ(パパ)の自由時間を作りましょう。
子育ては長期戦だからこそ、上手にストレスを発散することが大切です。
まとめ
シンママ(シンパパ)で夜勤をしていると罪悪感から自分自身を責めてしまうことがあります。けれど大切なのは自分を責めることよりも、子どもとの”限られた時間”の質を高めることです。
夜勤が子どもに与える影響を理解し、子どもの不安、ストレスを取り除いていきましょう。そしてママ(パパ)の心と体も大事にしてください。
夜勤と子育てを両立させるためには、子どもだけではなく、ママ(パパ)自身のことも大切にすることが重要です。

